債務整理は、専門家に依頼すると、借金の計算後、和解案を提示し、交渉にはいります。
1) 和解案の提示・交渉
引き直し計算を行った結果、算出された借入の元本から、債務者であるご本人と今後の返済期間や月々の返済額などを相談した上で和解案を作成。「借金の残高」「返済回数」「今後の利息と過去に発生した支払延滞損害金の扱い」「過払い金の有無と返済額」などを決めます。金額が多い場合は、3年を目安に返済計画を立てていきます。こうして作成した和解案を業者に提示し、提示した和解案に基づき和解交渉を重ねて確定させます。
2) 合意書の作成
和解交渉が確定すると、今後の返済期間や月々の返済額などの内容を双方が確認するための合意書を作成します。合意書は、債権者となる貸金業者と債務者となるあなたが各1通ずつ保管します。
3) 支払開始
合意書で交わした内容に基づき、業者が指定する口座へ毎月の返済を開始します。尚、複数の業者への返済がある場合、代理人に一括して振り込むことで、代理人が各業者の指定口座に振り込むことも可能です。
4) 借金の完済
合意書で交わした内容の通りに返済を完了すれば、借金はすべて完済したこととなり、任意整理の手続きが終了となります。
代理人を頼まずにご自分で業者と交渉をする方の多くは、代理人への手数料が支払えない、勿体ないと考えているようです。確かに、ご自身で交渉を行えば手数料はかかりませんので、金銭的な部分ではメリットが大きいでしょう。
ただし、交渉がスムーズに進むことは難しく、取引履歴の開示すら応じようとしなかったり、途中からの履歴しか出さなかったりする業者もいますので、この時点で難航することも多いようです。さらに、個人で交渉を行った場合、一番ネックとなるのは、強引な取り立てがすぐにはストップしないという点です。弁護士や認定司法書士を代理人とした場合、受任通知を受け取った債権者(貸金業者)は、以後、法律上で「取立て・督促」を禁止されていますので、業者もやむなくストップするわけです。
また、代理人に依頼し和解が成立するまでの期間は、4カ月ほどが目安となります。この期間は、毎月の返済がストップしますので、その分のお金を生活の立て直しに使うことができるのも、代理人に依頼するメリットと言えます。
債務整理と利息制限法の法規制に関して解説しています
○利息制限法の改正
(総評)
金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が次の利率
(単利。以下「制限利率」とする。)により計算した金額を超えるときは、
その超過部分につき無効である(本法1条1項)。
貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」
(平成11年12月17日法律第155号)によって、本法律4条1項の遅延損害金の
制限利率が、利息の制限利率の2倍から1.46倍に引き下げられました。
(平成12年6月1日施行)。
○債務の不履行があった際は債権者が
金銭を目的として消費の賃借を行った際には元本に対する
割合が2割を超えると無効となります。
○貸し付けが複数ある場合、債務者が同一の債権者から
借入を受ける場合は、
すでに債務を負担している債権者からかさねて
貸し付けを受ける場合(同じ消費者金融などから
借りる場合)すでに負担している債務の残元本の額と
貸し付けを受けた元本額の合計で、計算する。
○同時に2つ以上の貸付を受けた場合も
2つの貸付の元本額の合計で計算することとなっています。
また以下の改定点もチェックしたいところです。
○みなし利息において、以下のものは除外されます
1.公租公課の支払い
2.強制執行費用や担保件の実行などに関する機関に対する支払い
3.債務者が現金自動支払機、他を通じて金銭の受領または
弁済のために利用する機会の手数料。(政令範囲内の額)
4.カードの再発行手数料、事務費用
○保証料に関するもの
消費者金融に保証料を債務者が支払いするときには、
主たる借金の利息と合算して金利制限の対象とみなされることになりました。
変動利率の場合は、利息制限法所定の
上限金利で計算し、利息の半分を超えたときには保証料は無効となります。
債権者(貸金業)は、改正利息制限法の規定により
適用された利率が異なるとき、または利息の天引きをするとき、
または主たる債務者に他の保証契約があるときには、
保証人となるべきものに対し、その旨を通知する必要があるとされます。
これを怠った倍には保証人に対して損害賠償を支払う義務が発生します。
債務整理と利息規制における法律について解説いたします。
適用する利率の判断については具体的な事例において
どの利率とするかの判断を必要とする場合があります。
たとえば、リボ払いの場合。
リボ払いは、毎月一定額を返済する方法なので、高額な買い物をした場合でも
月々の支払が楽に出来ます。
ただ、一回払いなどと比べると手数料は若干高めです。
この契約の場合、貸金業者が利息の貸付の際に
包括契約を条件としている場合は、個別の貸付ごとに
同じ貸付額を元本とする制限利率が適用にならずに、
貸付残高全体の制限利息が適用されます。
また複数に個別の貸付契約がある場合は、
貸付ごとの元本額に基づき制限利息が適用されます。
一人の債権者に対して、複数の借り入れが存在する場合は、
任意整理をおこなうにあたり
債権者に対しては一連取引があるとして合計額を
もとにした制限利率を適用する必要があります。
天引きや弁済がなされた場合でも、
貸付の利息が天引きになった際でも利息制限法の
制限利率の元本額は元もと貸し付けたお金であり、
利率は決まったパーセントとなります。
後の返済によって残りの元本が1/10に減ったとしても
制限利率はそのままになります。
天引きは、利息を天引(貸付額から利息相当額を差し引いた
残額の金銭のみを債務者(大ざっぱにいえば借主)
に交付し、返済期日に貸付額を返済させるという貸付方法を
した場合において、天引額が債務者の受領額を元本として制限利率に
より計算した金額を超えるときは、その超過部分は、
元本の支払に充てたものとみなされる方法のことです。
ですが債務整理については、弁済総額について
債権者との自由協議で決めることが可能なので、天引き利息
に関しても、その天引き前の契約額に基づいた利率を適用し、
引き直しの計算を行って債権者の同意を得るようにしたい。
またみなし利息といわれる場合も同様になります。
みなし利息とは金銭を目的とする消費貸借に関し債権者(大ざっぱにいえば貸主)
の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他何らの
名義をもってするを問わず、利息とみなされることを指します。
みなし利息に関する問題としては、契約の締結および債務の
弁済費用以外はすべて利息とみなされてしまうため、
債務の任意整理をするにあたっては、かかる「みなし利息」についても
債務者からきちんと詳細を聞き出して、整理のポイントとして
処理すべきなのです。
それから数回の利息の組入れを約する重利の予約は、
毎期における組入れ利息とこれに対する利息との合算額が、
本来の元本額に対する関係において、一年につき利息制限法所定の制限利率により
計算した額を超えない限度においてのみ、有効となります。
債務整理では、貸金業法、利息制限法、出資法という3つの法律がかかわってきます。
貸金業者は平成18年の法改正までは、刑罰が科せられてしまう出資法の制限金利を下回るものの、罰則のない利息制限法の利率を上回る金利で貸し出しをする業者がはびこっていました。
こうした法律には違反するものの、刑罰には科せられない20%~29.2%の金利のことを「グレーゾーン金利」と呼びますが、このグレーゾーンをも超え、さらに高金利で貸し出しをするヤミ金業者の存在により自殺にまで追い込まれる利用者が多発したことから、こうした悪徳業者に圧力をかけるため、出資法が改正され、違反者には罰則が強化されるようになりました。
以下は一部を抜粋したものです。
(高金利の処罰)
第5条
金利の貸付けを行う者が、年109.5%(2月29日を含む2年については年109.8%とし、1日当たりについては0.3%とする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2.前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年29.2パーセント(2月29日を含む1年については年29.28パーセントとし、1日当たりについては0.08パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3.前2項に規定する割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者は、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
改正された箇所は他にもありますが、ここで注目すべき点は、実際に違法金利で貸し出しをしなくとも、違法金利である29.2%を超える支払を要求しただけで、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金という刑事罰に処される点です。
では、グレーゾーン金利の存在はどうなったのでしょうか?
現在の利息制限法では、金利の上限は以下のように決まられています。
|
借入金額(1社ごと) |
利率の上限(年利) |
|
10万円未満 |
20% |
|
10万円~100万円未満 |
18% |
|
100万円以上 |
15% |
法律の改正により、これまではびこっていた20%~29.2%のグレーゾーン金利は無効となったのです。
ところで、「みなし弁済」という制度をご存知でしょうか?
利息制限法で決められた15%~20%の金利について、貸金業者が次のような条件を満たしている場合は、例外としてこの金利を超えた利息を取ることを有効とみなされてしまうものです。
1. 貸付をした者が登録を受けた貸金業業者であること。
2. 契約の際に貸金業規制法17条で定められた要件を充足する書面を借主に交付していること。
3. 返済をする際その都度、貸金業規制法18条で定められた要件を充足する受取証書を直ちに交付していること。
4. 債務者が利息の支払を利息としての認識で支払ったこと。
5. 債務者が利息の支払を自己の意思に基づく任意の意思で支払ったこと。
このみなし弁済が認められてしまうと、残念ながら過払い金返還の請求はできなくなってしまうため注意が必要です。ただし、現状ではこの条件を満たしている業者はほとんどありませんが、心配な場合は専門家に相談したほうがいいかもしれません。
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