貸金業者と債務整理について
貸金業を営むには、銀行法のような兼業の規制がないため、
金融専門の業者だけでなく、ノンバンクといわれる様々な業種の会社が参入しています。
貸金業者登録をしていれば、すべての業者が信頼できるか?
と聞かれれば、かなり疑問が残るところです。
現に、平成16年のデータによれば、借入5件以上の債務者は57万人にもなり、
平均借入総額は約230万円、自己破産者は平成17年度で18.4万人、
経済的問題による自殺者は平成17年だけで約7800人にものぼります。
こうした事態に対応し、「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」
(平成18年法律第115号等)が平成18年12月に公布されました。
改正される内容としては、罰則の強化や貸金業者登録要件・行為規制の強化、
業務改善命令創設等の監督の強化、総量規制の導入などがあります。
最近、借入をしている貸金業者から「収入証明書を送って下さい」というような
案内が封書で送られてきていませんか? これは、「総量規制」という借入残高を抑制するためのものです。
もともと、法律では下記のように過剰貸付けを禁止しています。
「貸金業者は、資金需要者である顧客又は保証人になろうとする者の資力又は信用、
借入れの状況、返済計画等について調査し、その者の返済能力を超えると
認められる貸付けの契約を締結してはならない」(貸金業の規制等に関する法律13条1項)
つまり、貸金業者は利用者が返せる能力があるかどうかを判断した上で貸付けしをしなければならず、
返済能力を超える貸付けの契約をしてはいけないと定めているのです。
しかし、「返済能力」の判断基準は明確ではなく、実効性に乏しいものとして評価されていました。
そこで、返済能力の判断基準として、「個人信用情報使用義務」と
「年収証明書類徴求義務」が業者に課せられるようになったわけです。
ただし、年収証明書類徴求義務があるのは以下の取引に関してとなります。
1. 自社からの借入残高が50万円超となる場合
2. 他社を含めた総借入残高が100万円超となる場合 このどちらかに該当する利用者からは、
源泉徴収票等の年収証明書類の提出を受ける義務が発生します。
これらの証明書をもとに、個人に対する総借入残高が年収の3分の1を超える貸付けは原則禁止となりました。
ただし、住宅ローンなどは除外されます。
ですから、貸金業法の改正により、利用者の年収が
300万円であれば100万円以内でしか貸付けができなくなったわけです。
政府は、こうした制限(総量規制)を法律で設け、
違反した業者は行政処分の対象とすることで、貸金業者の過剰な貸付けへの強化としているのです。
尚、総量規制には、「緊急の医療費の貸付」(規則10条の23第1項5号)、
「配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付」(規則10条の23第1項6号)などの例外もあります。



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